交通事故を経験された方の中には、「事故のあとにまるで筋肉痛のような痛みを感じた」という方も多いのではないでしょうか?
その痛みは一体、単なる筋肉痛なのか、それともむち打ちによるものなのか、今回はこの疑問について、わかりやすくご説明していきます。
交通事故直後に起こる体の反応とは?
たとえば、車に乗っているときに後ろから突然追突された場面を想像してみてください。
予期せぬ衝突が起こると、私たちの身体は本能的に「危険だ!」と察知して、全身にグッと力が入ります。
この瞬間、体は戦闘モードに切り替わり、アドレナリンが一気に分泌されます。
前方へ体が押し出される際、反射的に手や肘、肩などで身体を支えようとすることがあります。
また、シートベルトが上半身を強く押さえつけたり、膝を前方にぶつけてしまうこともあるでしょう。
このような一連の動きの中で、全身の筋肉に強い緊張が走り、筋肉痛のような症状が数日後に現れることがあります。
これが、事故直後に感じにくく、後からじわじわと出てくる痛みの正体です。
筋肉痛の原因は「緊張」と「ダメージ」
事故の際、筋肉に起こる反応には主に2つの要因があります。
- 全身の緊張による筋肉痛
追突の瞬間に、身体は全力で衝撃に備えようとします。このとき、筋肉は必要以上に力を入れられ、後になって筋肉痛のような痛みを感じます。
アドレナリンの影響で事故当日は痛みをあまり感じない方も多く、数日経ってから痛みが出てくるケースが多いのが特徴です。 - 打撲や捻挫などの直接的な損傷
ぶつけた部位や強く伸ばされた筋肉、関節などは、内部で炎症を起こしていたり、筋肉が攣縮(けいれんのような緊張状態)を起こしていたりします。
その結果、神経が圧迫されて痛みが出たり、筋肉の緊張が長引いて不快感が続いたりすることもあります。
むち打ちとは? ただの筋肉痛との違い
さて、ここからは「むち打ち」について詳しく説明します。
再び、後方から追突されたケースを例に考えてみましょう。
このとき、車の衝撃で体が前へ押し出される一方、頭は重さ(約7kg)ゆえに遅れてついてくるため、首がムチのように前後にしなる動きが発生します。
これが「むち打ち(外傷性頸部症候群)」と呼ばれる現象です。
このとき、以下のような組織が損傷を受ける可能性があります。
- 首や背中の靭帯・腱・筋肉・滑液包(関節をスムーズに動かす袋状の組織)
- 脊髄神経や神経根(背骨から枝分かれしている神経)
その結果、首が動かせない、回らない、硬い、痛いといった症状が現れます。
さらに、損傷の程度によっては以下のような症状が伴うこともあります。
- 頭痛
- 吐き気
- めまい
- 手や腕のしびれ
加えて、「バレ・リュー症候群」と呼ばれる、自律神経の乱れによる以下のような症状が出るケースもあります。
- 耳鳴り
- 視力の低下
- 倦怠感
- 不眠
では、「筋肉痛=むち打ち」なのか?
結論から申しますと、筋肉痛の中にむち打ちが含まれる場合もあるということです。
つまり、むち打ちを起こすことで筋肉痛が出ることはありますが、筋肉痛があるからといって必ずしもそれがむち打ちとは限りません。
むち打ちは、あくまで首がムチのように激しく前後に揺さぶられる動きが起きた結果として発症するもの。
この「ムチのような動き」がなければ、たとえ筋肉痛があってもそれは「むち打ち」とは呼びません。
症状が出たら、早めの対応を
交通事故後に筋肉痛やむち打ちのような症状が現れた場合、当院では以下のような治療・施術をご提供しています。
- 手技による筋肉・関節の調整
- アイシングによる炎症緩和
- 超音波治療による組織修復の促進
- 日常動作のアドバイスとリハビリメニューの提案
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