本来、人が持っている背骨の弯曲構造と正しい姿勢について紹介していこうと思います。
ヒトは頸椎前弯・胸椎後弯・腰椎前弯・仙尾椎後弯の4つの生理的弯曲があります。
これは立位(立った姿勢)がとれるようになってから生じる第2次弯曲と呼ばれる姿勢です。
胎児期は後弯要素しかなく、これを第1次弯曲といいます。
頸椎前弯は首がすわり、座位が可能となって形成され、腰椎前弯は立位が可能になって増強されます。
いわゆるヒトの二足歩行姿勢のできあがりです。
これらの弯曲は、四肢動物が重力につぶされないようにブリッジを形成するのと同じように、重力を始めとする外力の影響に耐えるために重要な要素です。
しかし、二足のヒトの弯曲は、四肢動物のブリッジに比べると脆弱になります。
そして二足歩行が可能になることによって頭と両腕を肩まわりの筋肉で支えることになります。
四足歩行が二足歩行に変わるというのは人類にとっては進化だったのでしょうが、肩コリ、腰痛、膝痛、内部疾患など、さまざまな障害が増えてきたのも確かです。
ヒトは二足歩行へと変化したことで、手に体重をかけて活動する機会がめっきり減りました。
その結果、肩まわりだけでなく、首・腰の筋肉までが弱くなってしまいました。
大人では約5~7kgの頭と約8kgの両腕を肩まわりの筋肉で支えなくてはいけません。
これは実に大変なことです。その上、ストレスの増大によって精神的疲労を蓄積させ、繰り返しの単調な労働が肩や腰の局所的な疲労を蓄積させ、さらには運動と睡眠と栄養バランスを崩れさせ、運動不足の人も増えています。
これらが原因で、肩コリや腰痛などに悩む人は後を絶たない状況です。
そこで大事になるのは身体を全体的にとらえることです。
正しい姿勢と動作を獲得するために、正しい医学的理論を知ることが大切です。
いろいろな雑誌をつまみ食いしても、テレビの情報番組を参考にしてもなかなか正しい姿勢は身につきません。
肩がこるからといって肩だけに注目してもダメですし、腰痛だからといって腰だけを治療してもダメ、膝が変形してきているからといって膝だけを治療してもダメなのです。
「姿勢は全身のつながりだ」という認識を持つことが大切です。
正しい医学的理論、すなわち解剖学・生理学・運動学・治療法にもとづき、身体全体を通してバランスを調整する事が大切です。
そこで、横から見た正しい姿勢について動画で紹介していきます。
身体を全体的にとらえ、心身全体のバランスを整え、正しい姿勢と正しい運動パフォーマンスを獲得し、不調のない身体を作れるように頑張っていきましょう!
脊柱側弯症について紹介していきます。
<脊柱側弯症とは>
前額面(正面から見て)での不良姿勢は、脊柱の側弯や骨盤の左右の高さの違いが問題になります。
脊柱側弯症とは、脊柱が側方へ弯曲し、椎体の側方へ弯曲し、椎体の側方転移と回旋を伴う病態で、通常、胸部および腰部におよびます。
胸椎と腰椎の側方弯曲が逆になるS字曲線の側弯や、胸・腰椎全体のC字曲線の側弯が見られます。
股関節、骨盤および下肢に非対称性が見られることもあります。
脊柱側弯症には大きく分けて、構築性脊柱側弯症と非構築性脊柱側弯症があります。
非構築性脊柱側弯症は機能的脊柱側弯症または姿勢性脊柱側弯症とも呼ばれます。
<構築性脊柱側弯症とは>
構築性脊柱側弯症とは、骨そのものの構造的な側弯を指し、なかには脊柱の補正できない捻じれによる回復不能の側弯症があります。
{構築性脊柱側弯症の評価と原因}
立位検査
- ウェストラインの左右非対称性、両肩や両肩甲骨の高さの左右差などを評価する。
- 椎体の捻れは弯曲の凸側方向になっています。
- 胸椎では、肋骨が脊椎の弯曲によって捻れ、このため肋骨が脊椎の後部凸側に隆起しています。
立位単純X線検査
- コブ角を測定して診断します。コブ角とは、最大の傾斜を示す椎体と椎体の間の角度で、その角度が25°未満ならば軽症として経過観察、25°以上ならば治療が必要になります。
- 前屈姿勢をとると、後方への肋骨や腰部の隆起が見られます。
このときの椎体と肋骨との関係は、
- 椎体の凸側への回旋
- 棘突起の凹側への回旋
- 肋骨隆起
- 凹側陥凹を評価する
よく見られる原因
・神経筋疾患または脳性麻痺・脊髄損傷などによる障害
・骨軟化症・くる病・骨折などの骨疾患
・原因不明の突発性疾患
<非構築性脊柱側弯症とは>
非構築性脊柱側弯症とは、筋・筋膜のインバランスなど<機能的な問題による側弯を指し、左右の構造的脚長差の違いによって骨盤の高さの左右差を生じさせる場合と、骨盤周囲の筋・筋膜のインバランスによって骨盤の高さが変化して見かけ上の脚長差が生じる場合があります。
側弯症を伴う場合も伴わない場合もあります。
今回は肩甲骨のアライメント異常について紹介していきますね!!
<筋のインバランスと肩甲骨の位置>
肩甲骨周囲の筋にインバランスが存在すると、通常の姿勢でも肩甲骨の位置に異常が生じます。
いくつかの例を見てみましょう。
例1)
両肩峰が第1胸椎棘突起下縁を通る水平線よりも上方にあります肩峰を含む肩甲骨は挙上し、頚部は短縮して見えます。
僧帽筋上部線維と肩甲挙筋が短縮位にあり、僧帽筋下部線維が延長位にあることを示しています。
例2)
両肩峰が第1胸椎棘突起下縁を通る水平線よりも下方にあり、肩甲骨は下方回旋しています。下方回旋は、活動優位な肩甲挙筋と菱形筋が原因で、僧帽筋上部線維は延長位にあることを示しています。
また、右肩は、上腕骨上面の大結節部が肩峰の下に入り込んでいるように見え、肘と体側との距離も左より広がっています。
これは、三角筋と棘上筋の短縮を示唆しています。
例3)
右肩が下制し、右肩甲骨は翼状肩甲になっています。
僧帽筋上部線維に加えて、前鋸筋の長さも延長位にあることを示しています。
また、肩甲挙筋と菱形筋は活動が優位になっています。
例4)
肘頭が外側を向いているため、上腕骨が内旋位に見えます。
しかし、両肩甲骨が外転位になっていますので、その肩甲骨の位置を修正すると、上腕骨の内旋が修正されます。
すなわち、上腕骨の内旋だったということがわかります。
このように姿勢の観察により、そのアライメントが正常なのか不良なのかをしっかり評価することが大切で、そのアライメントから筋のインバランスと関節の異常な動きを推測できる能力が必要になるのです。
姿勢が崩れることで筋のインバランスが発生し肩甲骨のゆがみや骨盤のゆがみなど様々な症状を引き起こしてしまいます。
日ごろから肩甲骨の位置も意識していきましょう!
椎間板への安定性への影響について紹介していきます。
<脊柱の可動性に大きく関わる椎間板>
脊柱椎間板とは、脊柱の椎骨と椎骨の間に挟まれている組織で、骨に比べると柔らかいため、脊柱の可動性を支える存在です。
椎間板はコラーゲン線維と線維軟骨からなる外層の線維輪と中央のゼリー状の髄核から成ります。
椎間板の構造
椎骨に対する椎間板の厚さの割合が大きいと、その分可動性も大きくなります。
椎骨と椎間板の厚さの割合は、頸椎が2/7、胸椎が1/6、腰椎が1/4です。
脊柱の中で、頸椎の可動性が最も大きく、胸椎の可動性が最も小さいのは、この割合によるものです。
<椎間板がさまざまな運動に柔軟に対応できる理由>
線維輪は幾層にも重なるコラーゲン線維の層で構成されていますが、線維の走る方向は層ごとに互いに違っています。
層の1枚おきに方向が変わることで、半分は右回旋の動きに、残り半分は左回旋の動きに抗するようになっています。
このように、コラーゲン線維が斜めに走行しているため、さまざまな運動に抗することができます。
脊柱に、せん断する力や捻る力が加わると、力の方向に対応するコラーゲン線維だけが緊張し、他の線維は弛緩するようにできています。
しかし、椎間板は屈伸に抗する層板が少ないため、回旋に抗する層板が少ないため、回旋に対する力は弱くなります。
また、髄核は椎体の曲がる方向の反対側に移動して、椎間板内部で変形して椎間板内部の圧を調整します。
腰椎の屈曲やねじれは、椎間板膨隆のリスクを高め、髄核の断裂や滑りを起こして椎間板ヘルニアとなる危険性があります。
<前傾姿勢では椎間板にかかる負荷も増大する>
腰椎椎間板にかかる負荷は、姿勢によって変化します。
正常な立位姿勢に比べると、体幹が前屈するほど下部腰椎にかかる負荷が増大します。
これは、前方に加わる体幹の質量を、腰部の脊柱起立筋で保持する負荷が増え、両者による荷重が椎間板に加わるためです。
体重70~80kgの人の第3/4腰椎椎間板の内圧変化見ると、立位を100%とした場合、背臥位は25%、立位体幹前傾位では150%、椅子座位体幹前傾位では150%、椅子座位体幹前傾位では185%、背臥位からの膝屈曲位での起き上がりでは210%となります。
これは胸椎においても同様で、胸椎後彎が増大し、胸椎の屈曲する力(屈曲トルク)が増加するほど、胸部脊柱起立筋で保持する負荷が増え、中部胸椎に加わる負荷も増大することになります。
<屈曲や伸展が椎間関節や、椎間板に及ぼす影響>
したがって、不良姿勢の改善のためにエクササイズを実施する際には、屈曲運動と伸展運動が椎間関節や椎間板に及ぼす影響を理解しておく必要があります。
例えば、腰椎の屈曲時・伸展時では、下の画像のような影響があります。
(腰椎の屈曲時・伸展時の椎間関節や椎間板に及ぼす影響)
椎間板ヘルニアを有する場合には、腹筋群の強化のためいわゆる起き上がり腹筋運動(背臥位からの腰椎屈曲による起き上がり運動)は実施すべきではありません。
髄核の後方移動を防止できないためです。
また、脊柱管狭窄症では椎間孔径が縮小する腰椎伸展運動は実施すべきではありません。
以上が椎間板の安定性への影響について紹介しましたが是非参考にしてみて下さい。
骨格のバランスが崩れる原因について紹介していこうと思います。
骨格のバランスや姿勢が悪くなる原因のほとんどは「日常生活」にあるといっても過言ではありません。
特に同じ姿勢を長時間続けることで、筋肉は緊張状態へと陥りやすくなります。
小さな姿勢の乱れでも、それが生活習慣となって長い時間積み重なることで、筋肉が硬直して血流が悪くなり、痛みや不調の発症へと繋がるのです。
骨格バランスが崩れる生活習慣には、「見る姿勢」「座り姿勢」「歩行動作」「睡眠時の姿勢」などが挙げられます。
「見る姿勢」は首の痛みや肩の凝り感
「座り姿勢」は腰痛や骨盤のゆがみ
「歩行動作」は膝痛や骨盤のゆがみ
「睡眠時の姿勢」は首の痛みや腰痛などにつながる危険をはらんでいるので、日常から注意が必要です。
痛みや不調を改善するためには、まずは生活習慣における姿勢の乱れを修正し、患部への負担を取り除くことが不可欠になります。
一度乱れてしまった不良姿勢を正していくにはそれなりの時間を要します。
脊柱の調整や骨盤矯正、自宅でのストレッチやエクササイズ、良い姿勢を維持していくための筋力トレーニングなど、取り組むべき課題はたくさんあります。
ですが、5年後10年後のためにも今からしっかりと姿勢を意識し、身体を整えていくことで、痛みや不調の再発の予防にも繋がっていくので一緒に頑張っていきましょう!!
骨格のバランスが崩れることで痛みが起こるということについて紹介していきます。
<骨のゆがみが神経を圧迫する>
身体を支配する神経は、頭蓋骨の貫通孔と、脊椎の椎間孔から出ています。
骨が正常の位置にあれば、神経は正常ルートを確保できます。
これは、電柱と電線の関係と同じです。
電柱が傾けば電線はたわみ、火花がとんで停電します。
歪みによって神経が圧迫されると痛みやしびれが起こります。
頭痛、肩こり、関節痛などの慢性的な疾患の多くは、こうして発生しているのです。
人の輪郭や外見は骨格そのままの形です。
したがって、骨格は大小約200個の骨で構成されており、骨は靭帯と筋肉だけで結ばれています。
固着している骨はありません。
骨はネジで止めるように固定されてはいないのです。
この可動性があるから人間はスムーズに滑らかな動きができるのですが、使い方によってはゆがみを起こします。
ほとんどのゆがみの原因は、骨盤や仙骨のゆがみにあります。
そこで、骨盤と仙骨について簡単に説明しておきましょう。
<骨格の中心は仙骨>
骨盤は、左右腸骨と仙骨で構成されています。
二つの腸骨が仙腸関節で仙骨と結合し、腸骨はさらに恥骨結合で結合しています。
仙骨には脊柱がのり、仙骨は上半身の重量を支えています。
全体の骨格バランス、姿勢は、仙骨で決まるのです。
(骨盤の構造)
仙骨は手の平ほどの大きさです。
上半身を支える仙骨の働きは吊り輪競技の選手と同じです。
仙骨は過酷なほどの負荷に耐えながら、一生にわたって吊り輪競技を演じています。
吊り輪を握る腕に相当する仙腸関節は、強靭な靭帯で結合します。
水平に伸ばした脚の親指がかすかに触れ合って、恥骨結合に相当します。
骨盤の傾きは、仙骨を傾けます。仙骨が傾けば脊柱も傾きます。
骨盤が正常バランスであれば、上半身の重量(体重の60%)は左右股関節に均等配分されます。正常バランスが保たれているとき、神経の働き、筋肉、関節などすべての機能は最善の状態で活動できます。
一般に骨格と呼ばれる「脊柱」は、頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個の合わせて24個の椎骨で構成されています。
骨盤のゆがみによる脊柱の変位は腰痛をはじめ、慢性的な痛みや体調不良の原因になります。
24個の椎骨でつくられる脊柱の内部には、中枢神経の脊髄が通っています。
脊髄は、スポーツなどの激しい動きにも耐えますが、不良姿勢による背骨のゆがみは、椎間孔にゆがみを起こし、脊髄神経に影響を与えます。
骨盤から脊柱を日常的に矯正し、正常バランスを保つことは健康生活の基本といえるのです。
普段から姿勢が悪かったり、すぐに足を組んでしまったりなど骨盤のゆがみを作っている方はそこから脊柱も捻じれて左右肩の高さが変わったり、足の長さに脚長差がでてしまい股関節痛や膝痛を引き起こしたり様々な症状を引き起こしてしまいます。
その時は大丈夫でも、徐々に歪みは進行していき5年10年20年と年々ゆがみが増していくとともに痛みも増していきます。
そうならないためにも普段から姿勢を心がけ身体に歪みを作らないようにしていく注意が必要です。
続いては骨格を整えれば肩こりも腰痛もなくなるということについて紹介していきます。
ほとんどの痛みや不調は骨格のバランスが崩れることによって発症します。
ではなぜ骨格のバランスが崩れてしまうのでしょうか。その原因はすべて“自分自身”にあります。
だからこそ自分の自然治癒力で症状を改善し、再発を予防することが可能になります。
ストレッチや筋トレを駆使しながら、痛みやコリを和らげ、また整体の治療で崩れた骨格のバランスを整えることで正常な状態へと戻していきます。
正しい方法でストレッチや筋トレなど継続的に行えば、首痛、肩こり、腰痛といった症状も改善できます。
骨格バランスを整えるには、まずバランスが崩れる原因を知ることが大切です。
骨格バランスが崩れる主な原因は「姿勢の乱れ」が一番の原因になります。
2足歩行で生活する人間の骨格は、重力を分散させて受け止め、一部の関節へ負荷が集中しないように絶妙なバランスをとっています。
この“正しい姿勢”が崩れると、一部の関節に大きな負担がかかり、痛みや不調へとつながります。
例えば、頭部が前方へ倒れるだけで、頭部を支える首の筋肉には大きな負荷がかかり、緊張状態へと陥るのです。
人体でバランスを崩しやすいのが、脊柱(椎間関節)、骨盤、肩甲骨といった部位です。
骨格は各関節が連動して動くため、骨盤が後傾することで猫背になったり、頭部が前方に倒れたりして、一部のバランスが崩れると連鎖的に崩れていく性質があります。
だからこそ、姿勢が乱れた根本原因を見極めることが重要です。
【骨盤の後傾による姿勢の乱れ】
また、日常生活の小さな姿勢の乱れが積み重なって骨格がゆがんでしまいます。
同じ姿勢を長時間続けることで、筋肉は緊張状態へと陥りやすくなります。
小さな姿勢の乱れでも、それが生活習慣となって長い時間積み重なることで、筋肉が硬直して血流が悪くなり、痛みや不調の発症へとつながるのです。
痛みや不調を改善するためには、まず生活習慣における姿勢の乱れを修正し、患部への負担を取り除くことが不可欠になります。
それが再発の予防にもつながります。
骨格のバランスが崩れる身体的な原因に、身体を動かさなくなる事による筋肉の衰えがあります。
筋肉が衰えるとそれにともなって行動意欲が減退して運動量が低下するため、さらに筋力は弱くなります。
筋力が低下すると、正しい姿勢を維持することが難しくなるため、骨格のバランスが崩れていきます。
しかし、筋肉は年齢に関係なく強化できるので、筋トレやストレッチを行うことで、筋肉の衰えを抑えることができます。
また、年齢を重ねていくと脊柱の椎骨や椎間板の劣化により、椎骨と椎骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板は、年齢とともに水分が減り、クッション性も低下していきます。
その結果発症するのが頚椎および腰椎のヘルニア(椎間板ヘルニア)です。
さらに、硬くなった椎間板は衝撃を吸収できずにだんだん潰れて薄くなり、上下の椎骨がぶつかる状態となります。
その結果、椎骨に骨棘が形成され、変形性頚椎症や変形性腰椎症の発症へとつながります。
骨や椎間板は、変形すると修復が難しい半面、正しい身体のバランスで生活をしていれば、劣化を最小限に食い止めることができます。
【腰椎の劣化】
(椎骨の変形)加齢で椎間板が潰れて薄くなると、上下の椎骨がぶつかるようになっていびつな骨棘が形成され、脊柱の動きを妨げるようになります。
(椎間板の損傷)椎間板は脊柱の椎骨と椎骨の間にある線維軟骨組織です。
脊柱にかかる衝撃を緩和するクッションの役割を果たすが、加齢とともに水分が失われると硬くなり、潰れて薄くなります。
以上が骨格のバランスが崩れる原因になり、これら身体のバランスが崩れた日常生活の原因を取り除くことで痛み・不調の改善になります。
また、骨格バランスを整える整体の治療や、筋トレ、ストレッチを行うと肩こりや腰痛も改善されていきます。
寛骨の前傾・後傾による脚長差について紹介していきます。
<構造的脚長差と機能的脚長差>
左右の脚の長さの違い、すなわち、脚長差には、構造的脚長差と、機能的脚長差があります。
(構造的脚長差)
構造的脚長差は、ひと言でいえば骨そのものの異常による脚長差で、例であげてみると、一側に先天性股関節脱臼の既往がある。
若いときに過度の骨形成を生じさせる損傷の既往がある。
大人になってから骨の短縮を生じる外傷性の損傷の既往がある。一側の脛骨に内反や外反がある。
などの原因が考えられます。
構造的脚長差を簡易に判断する方法としては、仰向けで両膝を曲げて観察する方法があります。
足の側から見たときに、膝が高い側の下腿は低い側よりも長いということになります。
(構造的脚長差の簡易な判断)
横から見たときに、膝が前方に出ている側は後方にある側よりも大腿が長いということになります。
(構造的脚長差の簡易な判断)
このように下腿や大腿の長さの違いによって生じるのが、構造的脚長差です。
一方、機能的脚長差は、ひと言でいえば筋・筋膜のインバランスによる脚長差で、例であげると、一側の寛骨が前傾する(下肢長が長くなる)。
一側の寛骨が後傾する(下肢長が短くなる)骨盤側方傾斜(高い側が長くなる)。
股関節内転群あるいは膝屈筋群の拘縮。筋スパズムを伴う股関節・膝関節の異常肢位。
一側の凹足(下肢長が長くなる)。
一側の過回内(下肢長が短くなる)などの場合に生じます。
<仰向けと長座位とで下肢長に変化が現れる場合>
仰向けでは寛骨前傾に伴って大腿骨頭の位置は背側・尾側に編位します。
後傾側では大腿骨頭の位置は頭側・腹側に偏位します。
すなわち、仰向けでは、前傾側が尾側への影響、後傾側が頭側への影響によって、前傾側の下肢長が見かけ上、長くなります。
一方、長座位になると、前傾側が背側への影響、後傾側が腹側への影響によって、前傾側の下肢長が見かけ上、短くなります。
このように仰向けと長座位とで下肢長に変化が現れることになります。
これも大切な評価になります。
長座位のときは骨盤をしっかり起こしておくことに注意してください。
このような見かけ上の脚長差、例えば立位の休めの姿勢で、右下肢を支持脚にする人で右寛骨が前傾して右下肢が長くなることがあります。
長い側を短く見せるためには、寛骨を後傾すればよいのですが、これが難しい場合は距骨下関節を回内(踵骨外反)することで下肢長を短くみせるように代償して両下肢の長さをいっしょにするように見せかけます。
合わせて、その側の膝は外反傾向になります。
(長い下肢を短く見せる)
逆に、短い側を長く見せるためには、寛骨を前傾すればよいのですが、これが難しい場合は距骨下関節を回外(踵骨内反)することで下肢長を長く見せるように代償して、両下肢を長く見せるように代償して両下肢の長さをいっしょにするようにみせかけます。
合わせて、その側の膝は内反傾向になります。
(短い側を長く見せる)
以上が骨盤が前傾や後傾することによって脚長差が生じてしまうことについて紹介しましたが、脚長差がでるとそこがひずみとなってあらゆる部位に痛みを引き起こしてしまうため普段から姿勢が崩れないようにこころがけてみて下さい。
胸郭の構造について紹介していきます。胸椎は脊柱のほぼ真ん中を占めています。
12個の椎骨が連なっていて、約34~37度の角度で後ろにカーブしています。
胸椎は上から1~12とナンバリングされていて、椎骨の間には椎間板が挟まっています。
【胸郭は、12個の胸椎、12対の肋骨、胸骨で構成されている。胸郭は靭帯と関節包、軟骨性結合で連結されており、可動性を持つ】
【第1~7肋骨は肋軟骨を介して胸骨と連結する真肋、第8~12肋骨は仮肋、このうち第11~12肋骨は肋軟骨と接することなく遊離する浮遊肋です】
胸椎椎骨と靭帯は、腰椎と共通する部分が多く見受けられます。
胸椎が腰椎と決定的に違うのは肋骨と連携している点です。
肋骨は弓状の長骨であり、後方で胸椎の肋骨窩、横突起と関節を作り、前方では肋軟骨となり、前方中央で胸骨という平らな骨と結合します。
胸骨は、胸骨柄、胸骨体、剣状突起という3つのパーツからなります。
胸椎、肋骨<、胸骨が作るカゴのような構造が胸郭、その内腔が胸腔です。
胸郭の上の入り口を胸郭上孔、下の入り口を胸郭下口といいます。
12個の胸椎には、左右に2本ずつ、合計24本の肋骨がついています。
上位の7対は肋軟骨(Th1~7につく第1~7肋骨は肋軟骨を介して胸骨と連結しており、真肋と呼ばれています。
下位の5対(Th8~12につく第8~12肋骨)は胸骨と直接接していません。
これを仮肋といいます。なかでも第11~12肋骨は、末端が遊離しているため、浮遊肋と呼ばれます。
胸郭は心臓と肺を収めており、呼吸と密接な関わりがあります。
中でも大きな役割を果たしているのが、横隔膜です。
横隔膜胸腔と腹腔を隔てている、お椀を伏せたような形をしたドーム型の筋肉です。
胸郭の運動と筋肉について紹介していきます。
<呼吸時の胸郭はポンプの柄やバケツの柄に似た動きで広がる>
胸椎は、上下の椎骨が椎間関節で連結されています。
運動の軸になるのは、椎間関節と椎間板のユニットです。
胸椎では、連結運動により、屈曲、伸展、側屈、回旋が起こります。
屈曲と伸展は下部にいくほど可動域が広くなり、逆に回旋は上位ほど可動域が広くなり、側屈はほぼ一定になります。
呼吸に伴う胸郭の動きでは、肋椎関節と胸肋関節が連携します。
肋椎関節は肋骨と胸椎からなり、肋骨頭関節、肋横突関節があります。
胸肋結合は胸肋関節(第2~5肋骨)、軟骨結合(第1、6、7肋骨)、肋軟骨間関節(第6~9肋骨の軟骨間)があります。
胸郭は呼吸に合わせて上下、前後、左右にそれぞれ拡大して肺の機能をサポートし、胸郭の弾力性で元に戻ります。
胸郭の上下方向への拡大は、横隔膜が収縮して下がることで増大します。
同時に第1肋骨と第2肋骨が上がると、胸郭の垂直径は広がるのです。
前後方向の拡大は、上位の第2~6肋骨と胸骨が上がり、ポンプの柄を動かすような肋骨の運動により胸郭の前後径(縦径)が増大します(ポンプの柄運動)。
左右方向の拡大は、下位の第7~10肋骨が上がり、バケツの柄が上がるような肋骨の運動により胸郭の左右径(横径)が拡大します(バケツの柄運動)
<無意識で行う呼吸と、意識して行う呼吸では参加する筋肉が違う>
胸椎の運動に関わっている筋肉には、下位に連なる腰椎と共通するものが少なくありません。
具体的には、腹筋群、背筋群などです。
腹筋群、背筋群以外に、胸椎・胸郭が主役となる呼吸に関わる呼吸筋について紹介します。
呼吸筋として働いている胸郭の筋肉は、浅胸筋群、深胸筋群、横隔膜の3タイプに分けられます。
浅胸筋群は表層にあり、大胸筋、小胸筋、鎖骨下筋、前鋸筋からなります。起始は胸郭で、上腕骨、肩甲骨、鎖骨で停止します。
深胸筋群は深層にあり、外肋間筋、内肋間筋、最内肋間筋、肋下筋があります。基本的に肋骨をつないでいます。
横隔膜は胸腔と腹腔を隔てるドーム状の筋肉です。
呼吸筋には、別の分類法もあります。
無意識でなんの努力もいらないときに働く安静吸息筋と安静呼息筋、意図的に強く呼吸するときに働く強制吸息筋と強制呼息筋です。
安静吸息筋は、横隔膜、外肋間筋、内肋間筋の前部、斜角筋群などがあります。
安静呼息筋はなく、安静時はもっぱら横隔膜の弛緩による受動的な過程で息を吐き出します。
強制吸息筋には、安静吸息筋に加えて、肋骨挙筋、胸鎖乳突筋、大・小胸筋、上・下後鋸筋、肩甲挙筋、僧帽筋があります。
強制呼息筋には、腹筋群、内肋間筋の横・後部、胸横筋、肋下筋などがあります。
これらの筋肉を安静時や強制的に呼吸をする時に使います。
呼吸は健康の土台を作り、姿勢が悪いと呼吸は浅くなります。
姿勢と呼吸が関連するのは、姿勢維持している筋肉が呼吸を助けているため、アライメントを保つ筋肉が衰えると正しい姿勢が取れなくなるうえに、呼吸にまで悪い影響が及んでしまいます。
適度な運動や正しい姿勢を心がけてみて下さい(*^。^*)!
身体が疲れてくると身体を動かすことが少なくなり筋肉や関節が固まってしまいます。
首、肩、背中などが硬くなってしまうのは肩甲骨の動きが関係しています!
そこで、肩甲骨は骨と骨が直接つながらないで筋肉を介してつながっていることについて紹介していきます。
通常関節は骨と骨が連結されていますが、肩関節複合体には骨と骨が連結していない関節があります。
それが肩甲骨と胸郭の間にある機能的な関節、肩甲胸郭関節です。
肩甲骨は、肩関節がより自由に動けるように、胸郭上を浮遊したまま滑るように移動しています。その動きをサポートするのに多くの筋肉が関わっています!
肩甲骨は、後方から肋骨を覆っている逆三角形をした左右一対の平らな骨。上2つの角は外側の外側角と内側の上角、下向きの頂点は下角と呼ばれています。
肩甲骨の外側角に関節窩があり、上腕骨頭と肩甲上腕関節を作ります。
上部にはほぼ水平に走る肩甲棘という骨の隆起があり、その先端には肩峰という突起になっています。
肩甲胸郭関節以外にも、肩甲骨は肩鎖関節、胸鎖関節、第2肩関節を作ります。
肩鎖関節は、肩甲骨の肩峰と鎖骨の外側端(肩峰端)が連結したもの。
肩甲骨の運動の支点として働いています。
胸鎖関節は、鎖骨の胸骨端が胸骨と第1肋軟骨に連結された関節です。
鎖骨を介して、肩甲骨を体幹に連結している唯一の関節で、鎖骨を介して肩甲骨の動きの支点となります。
第2肩関節は、上腕骨頭、肩峰、烏口肩峰靭帯、烏口突起からなり、肩関節から上腕骨頭が上へ外れるのを防ぎます。
デスクワークなどでじっとしている姿勢が長時間つづいてしまい肩甲骨を動かさなくなると肩甲骨周りの筋肉や組織などが硬くなってしまうため、肩関節の動きは悪くなってしまいます。
肩甲骨を動かす体操は以前に動画で紹介しているのでその体操を参考にしながら、しっかりと動かしていくように頑張ってみて下さい(^O^)/