ヘルニアは30代に多い

なぜヘルニアになる人は若年の30代に多いのか?

ヘルニアになりやすくなる年代は20代~40代からが多いといわれています。

(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン

公益財団法人 日本医療機能評価機構より引用。

それは20代ではコンタクトスポーツ、例えばラグビーやアメフトでの突然の外力や衝撃により痛めてしまったり、柔道や格闘技などでは無理な体勢で外力を加えられたりして痛めてしまう場合が多いです。
どのスポーツでもいえますが、競技中ではなく、ジムなどでのトレーニング中に高負荷での反復練習で、無理がかかり痛める場合も多いです。
ヘルニアは腰部のヘルニアが有名ですが、首のヘルニアも多いです。
反復外力がかかると関節部に無理がかかり痛めることが多いので注意が必要です。
突然の外力はどうしようもない部分がありますが、それ以外に関しては、自分の姿勢や身体の使い方、ポジショニング、痛みの初期段階での対応で対処していくことが必要でしょう。
30代以上で多いのは、スポーツをしたからというよりもお仕事や通勤での長時間の同一姿勢や日常での運動不足による関節部の硬化が基礎にあり、そこに何かしらの外力が加わりヘルニアを発症してしまう場合が多いです。
社会人になると仕事に追われて、運動は学生時代にしていたけれど、気づけば5年以上の間、特に決まって運動はしていません。
という方が増えます。
そのような状況下で、関節部の筋肉・靭帯・関節包周りの組織が硬くなってしまった状態で、急に昔のイメージで動き、負荷がかかった際に痛めてしまうのです。

ヘルニアになりやすい姿勢とは

悪い姿勢,イメージ

20代から30代になり社会に出ていくと、日常生活の中で、ヘルニアになりやすい姿勢を長時間してしまっている場合が多々あります。
特にいえるのが、座っているときの姿勢です。
骨盤が後ろに傾いて腰が丸く、背中が猫背になった状態で長時間いると、首でも腰でもいえるのですが、背骨と背骨の間にあるクッションの中の髄核という本来、椎間板というクッションの中心にあるべきものが後方に転移してしまい、それが脱出してしまうのです。
これがまさにヘルニアそのものです。
デスクワーク中でも車の運転、乗り物での移動中でも姿勢は注意しておく必要があります。
骨盤が後ろに傾いて猫背にならないように。
さらに言うと、その姿勢が長時間続かないように気を付けておくこと。
それこそが最も大切なことだと私は考えます。
良い姿勢を長時間取り続けるのも疲労が蓄積するに違いありません。
要は20分に一回ぐらいは姿勢を小まめに変えていくということがヘルニアの予防につながります。
私は姿勢が崩れるから良くないといわれる足を組む姿勢をしても構わないと思っています。
良くないのは足を組まないと座れないとか、組んだ状態が当たり前になると良くないです。
それは歪みを作る姿勢が当たり前になるからです。
たまに足を組んだり、たまに立て膝をしたり、猫背になったり、姿勢を長時間、同一姿勢にならないようにいろいろと変化させていくことがとても大切なことだと思っています。

ヘルニア予防に取り組みたいトレーニング

体幹トレーニング,イメージ

ここ20年ぐらい体幹トレーニングという言葉が広まり、どのスポーツでも盛んに取り入れられています。
実際、この体幹トレーニングの指導技術が向上したことにより、日本人のスポーツ競技力は、サッカー、野球、柔道、スキー、ランニングなど、どの競技においても格段にレベルアップしていると思います。
この体幹トレーニングは体幹部を安定して使うことで背骨や椎間板に負担をかけないという点で、ヘルニア予防にも必須なトレーニングだと考えます。
体幹部の中でも、肋骨下から骨盤までの間の腹横筋の安定化は意識するべきところです。
呼吸を整えて腹圧の安定化を意識しながらトレーニングすることで腰椎が反ってしまったり、しなりすぎたりすることを防ぎ、背骨と骨盤部の安定化をもたらしてくれます。