膝の痛みについてとその施術

膝関節痛が起こる外傷や病気には、半月板損傷や靭帯損傷(前・後十字靭帯)ランナー膝などのスポーツ障害、中高年者に多い変形性膝関節症、全身の関節が侵される関節リウマチ、小児に起こるオスグット・シュラッター病などがあります。
激しいスポーツ、O脚やⅩ脚、加齢、肥満、運動不足による筋力低下などがリスクになります。

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当院の施術者は柔道整復師という国家資格を取得した急性外傷の専門家です。
急性期の施術内容はこちらのページをご覧ください。

変形性膝関節症

多くの方が加齢と共に抱える悩みである「膝の痛み」変形性膝関節症は関節痛があると、立ち座りがつらくなり、やがて日常生活に支障を感じるようになります。
加齢や筋力低下などにより、膝の軟骨がすり減ったりして炎症を起こし、軟骨がなくなって骨棘ができます。
人が歩く時には、体重の約3.1倍の負荷が膝にかかるといわれています。
例えば、体重が60kgの人では、約180kgの負担が膝にかかっていることになります。
体重が重いほど膝に負担がかかりやすく、軟骨や半月板が傷つき発症しやすくなり、膝の痛み、変形(O脚やX脚になる)膝が曲げられない、伸ばせないなどの症状が出ます。
初期では、立ち上がり、歩き始めなど動作の開始時のみに痛み、休めると痛みがマシになり正座や階段の昇降が困難になり、末期になると、安静時でも痛みを感じるようになり、痛みがとれず変形が目立ち膝も伸びず歩行が困難になります。
また、男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。
運動不足で脚の筋力が衰えてくると膝に大きな負担がかかってしまい、膝の関節でクッションの役割をしている軟骨が傷つき、膝を動かしたときの衝撃が吸収できにくくなって痛みを生じます。
原因はさまざまありますが、過去に膝にケガをした経験がある方や、運動不足になりがちな主婦の方、デスクワークの多い方、姿勢の悪い方、太り気味の方などは注意が必要です。
変形性膝関節症でお悩みの方は、「くろき式根治運動療法」がおすすめです。

半月板損傷

半月板は膝内部の内側(内側半月板)と外側(外側半月板)に1つずつあります。
大腿骨と脛骨からなる関節面に介在して膝の動きをスムーズにしたり膝関節の動き(屈曲・伸展、内旋・外旋)に際して膝関節を安定させたりするとともに、ジャンプなどの衝撃を分散させるクッション的な役割(衝撃吸収)を果たしています。
この半月板が、スポーツ活動などによって膝をひねったときにストレスでこすれて損傷(断裂)することがあります。
半月板を損傷すると膝関節の疼痛や運動制限(可動範囲の制限)が生じます。
半月板損傷はスポーツにおける怪我によるもの、加齢による変性で起こるものがあります。
前十字靭帯損傷と同時に受傷することも多く、関節軟骨損傷を伴うこともあります。
また、前十字靭帯損傷の結果、膝崩れを何度も繰り返すことによって半月板損傷に至ることもすくなくありません。
ほとんどの場合、MRI検査でほぼ診断がつきますが、それでもわからない場合には関節鏡による検査を行うこともあります。

膝靭帯損傷

膝関節を安定化させる靭帯として、4つの靭帯が膝の関節の動きをコントロールしています。
内側には内側側副靭帯、外側には外側側副靭帯、膝関節脛骨の前方から大腿骨側に向かう前十字靭帯、脛骨の後方から大腿骨側に向かう後十字靭帯があります。
膝靭帯損傷は急速にストップやターンを繰り返すスポーツや衝撃の激しいスポーツ(コンタクトスポーツ)などを行うときなどに起こります。
膝靭帯損傷では膝が痛む、腫れる、膝を動かしにくくなるといった症状が現れます。
原因としては、膝の外反強制で脛(すね)を無理に外側に向けられることにより内側が伸ばされ内側側副靭帯損傷が生じます。
内反強制で脛を無理に内側に向けられることにより外側が伸ばされ外側側副靭帯損傷が生じます。直接接触による脛の外反強制やジャンプの着地時に捻れが加わったりすることで前十字靭帯損傷が脛にかかる無理な後方への力(交通事故でダッシュボードに脛が当たった場合など)で後十字靭帯損傷が生じます。
最も頻度が高いのは内側側副靭帯損傷であり、外側側副靭帯単独損傷は非常にまれです。
力の程度によっては複数の靭帯、半月板に損傷が及ぶこともあります。

オスグッド・シュラッター病

10歳以上の活発にスポーツをする成長期の男児に多いです。
成長期の子供の脛骨粗面(膝下)は、まだ軟骨部分が多く弱いので、ジャンプやダッシュなどの繰り返しの動作による膝蓋骨(お皿の骨)を引っ張る力が脛骨粗面に加わります。
主に使いすぎ(over use)で起こります。成長期の脛骨粗面には骨が成長するために必要な新しい骨(骨端核)が存在していますが、大腿四頭筋による強大な牽引力が負担となり、骨端核の発育が阻害され突出して痛みます。
大きな原因の一つに使いすぎ(over use)があげられます。
成長過程の身体はとてもデリケートになっており、同じ動作を繰り返し行って、骨・腱・筋肉などに疲労がたまるとオスグッド病などのスポーツ障害が起こります。
走る、飛ぶ、蹴る、などの動きをする時は、太ももの筋肉(大腿四頭筋)が収縮します。
この筋肉は、お皿(膝蓋骨)を介して、脛骨粗面に付着しているので、繰り返しの動作により付着部分が引っ張られると、炎症が起こります。
ひどくなると脛骨粗面の軟骨が隆起や剥離が起こりオスグット病となります。

鵞足炎

鵞足は、大腿内側の筋肉から下腿内側に付着する3本の腱の総称です。
鵞鳥の足のような形をしている為、鵞足と呼ばれています。
この部分には、滑液包がありスポーツなどで炎症を起こして痛みを生じます。
膝は「曲げ伸ばし」を行う部位であるため、靭帯や腱が骨との摩擦によって傷つき、炎症を起こすことがあります。
その結果、鵞足炎や鵞足滑液胞炎などさまざまな膝の障害が現れます。
鵞足炎では鵞足に小さな損傷が生じることで痛みを感じます。また、過度のスポーツや運動、合わない靴、安定しない足元での運動、膝の使いすぎによる鵞足滑液包の過度な摩擦によっても起こります。
鵞足滑液包炎の場合には、「関節リウマチ」や「痛風」といった全身性の病気、または滑液包におこる感染症などによっても引き起こされます。

ランナー膝

ランナー膝とは、走る動作により、腸脛靭帯(膝の外側にある)が大腿骨外顆に繰り返しこすれて炎症が起きる腸脛靭帯炎のことです。
陸上長距離選手、バスケットボールや自転車などの選手に多く、「膝の外側が痛い」と訴える方が多いです。
原因としては以下のようなことが考えられます。
足首の動きが固く、柔軟性のない方。筋力が低下し接地時に身体が横方向に傾く走行フォームとなっている人は腸脛靭帯への過剰な負荷が生じるためランナー膝(腸脛靭帯炎)を起こしやすいです。

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O脚について紹介していこうと思います。
女性に多いO脚は、痛みや不調を感じなくても、足の外側に体重がかかる状態となるため、膝痛や骨盤のゆがみにつながる危険があります。
脚線美も崩れるので早めの改善が大切です。
O脚になる主な原因には、足の外側に体重がかかってしまう事が原因と考えられます。
脚を閉じる動きに働く股関節内転筋群や中殿筋の筋力不足と、足の外側に体重がかかる歩行などが主な原因になります。
また、猫背姿勢などによる骨盤の後傾や、足指を使わない歩行も体重が外側にかかる原因となりO脚へとなってしまいます。
O脚になるしくみを画像を使って説明していきます。
股関節内転筋群が弱くなり、太ももが外方向に開く
(股関節内転筋群の筋力不足や衰えによって、太ももが外向きに開きやすい状態になります)。
運動不足や履物の影響で足指を使わない歩行に
(ハイヒールの常用で足指が反りやすくなると、足先を使わず足の外側に体重をかける歩行になります)。
膝関節の内側に圧力が集中し、膝が外側へ張り出してO脚に
(O脚は、股関節が外旋して脚が外向きに開いた状態と、足の外側に体重がかかる状態が合わさり、膝が外側に張り出して(内反して)形成されているケースが多いです。膝が内反すると膝関節の内側に圧力が集まり、半月板や関節軟骨がすり減るリスクは高くなります)。
O脚になるしくみをまとめると、股関節内転筋群や中殿筋の筋力不足、足指を使わない歩行動作で、股関節、膝関節、足関節(足首)が外方向に張り出す負荷を受けてO脚となります。
男性より女性にO脚が多い理由は、内転筋群の筋力が弱い事も関係しています。
O脚にならないためにも内転筋群の筋肉強化や、なるべくヒールは避けることや、足の外側に体重がのらないように注意するといったことが必要になっていくので、是非気になる方は参考にしてみて下さい。

膝の痛みについて紹介していこうと思います。
運動部の学生やスポーツ愛好者が発症する膝痛で多いのが、膝蓋骨(膝の皿)の奥や周囲に痛みが出るものです。
主な原因は膝関節の前部に過度な圧力がかかりすぎる事によって発症します。
足を着地させたとき、膝蓋骨周囲に過度な負荷がかかることが主な原因になり、特に膝がつま先より前に出ると、膝蓋骨の周囲に強い負荷がかかります。
スポーツしている人は、強度な着地を繰り返すため、発症リスクは高くなります。
<腰を下ろす動きで膝への負担をチェック>
イスに座る動きで膝への負担度をチェックし、膝が前に出る人は、日常生活において膝に負担をかけている可能性が大きくなります。
<膝が前に出る>
膝が前に出ると膝蓋骨につながる太もも前面の筋肉の働きが強くなり、膝への負担が増します。
<膝が前に出ない>
お尻を引くとお尻や太もも裏の筋肉の働きが増し、膝への負担が減ります。
イスに座るとき膝が前に出やすい方は、膝に負担がかかりやすいので、お尻を引くように座り負担を減らすように心がけてみてください。
続いては、膝の痛みが発症する仕組みです。
スポーツなどで着地の衝撃に耐える動きを繰り返すと、膝を伸ばす動きに働く大腿四頭筋の腱や膝蓋靭帯が炎症を起こします。
逆に運動不足に起因するケースもあり、大腿四頭筋の柔軟性が低かったり、膝蓋靭帯が硬くなったりすると、膝蓋骨の動きが悪くなり、膝蓋骨が大腿骨に押し付けられて炎症を起こします。(膝蓋骨の炎症)
これらの対策としては、大腿四頭筋のストレッチや、膝蓋骨(膝の皿)をしっかり動かしていく事が重要になります。