雨の日にむちうちの症状が悪化する理由について

雨の日,イメージ

雨の日にむちうちの痛みがひどくなるのはなぜ?

交通事故やコンタクトスポーツで、むち打ちに遭った場合に、時間が経過して、ある程度回復したとしても、雨の日になると、首が痛んだり、肩や肩甲骨まわりに強ばりや違和感を訴える方が数多くおられます。
それはなぜ起こるのかを解説出来たらと思います。
要因は様々あると思われますが、現在、よく「天気痛」とも呼ばれるような、外気が低気圧になり、その気圧差が普段よりも、人間の細胞内の水分を外に向かって膨張する方向に働くため、身体が怠く感じたり、古傷が疼いたりする原因になるのではといわれています。
それがむち打ち損傷後の雨の日に痛みが悪化する要因の一つだと思います。
また、今のような冬の季節の寒さだったり、逆に夏の暑さ、エアコンによる冷えだったり、そのような温度差や湿度差を感じるセンサーが、人間の皮膚や粘膜などの外気と接する部分だったり、脳や脊髄のような中枢部の中枢神経など、体中のあらゆるところに敏感に感じ取る機能が人間には存在します。
これらのセンサーが温度や湿度の変化を敏感に感じ取り、その刺激が自律神経のバランスを乱すことにつながります。
低気圧による不調の原因の多くは自律神経の調整が追いつかないことと、ヒスタミンの過剰分泌があるといわれています。
ヒスタミンは、外傷、むち打ち、熱傷などの物理的侵襲、毒物、薬物などの化学的侵襲でも、血液中で遊離し活性化します。
肥満細胞や血液中の好塩基球から放出されるヒスタミンは、生体のアレルギー反応を促進するだけでなく、痛みを引き起こす誘因になるのです。

雨の日のむち打ちの痛みの予防法

では、その雨の日の低気圧とそれによるむち打ちの痛みをどう予防するかについてお話します。
先ほども述べたように気圧差により細胞内の水分が外に向かって膨張する方向に働くので、外から着圧タイプのウェアやサポーターで圧迫を加えてあげるのが効果的だといわれています。
また、しんどくなる時にまだ動ける範囲内であれば、少し有酸素運動を入れてあげる方がいいです。
心地よくジョギングをしたり、縄跳びも効果的です。
心肺機能を少し使ってあげるイメージです。
息が少しあがるぐらい心拍数を少々上げて全身の血流を改善させます。
そうすることで、全身の血流が改善して疼痛が緩和することにつながります。
あと、痛みと自律神経のアンバランス状態は密接に関係します。
なので、「自律神経の安定を保つ習慣」を身につけましょう。
食事の面では朝昼晩の3食を適度にいただくように心がける事が効果的です。
3食の食事を抜いたりせず、夜中に食べたりもしないようにしましょう。
雨の日やその前日にはアルコールも控え、炭水化物も少なめが良いです。
運動の面では1日合計30分、適度に身体を動かすことがおススメです。腕立て伏せや腹筋、背筋など心地よく自分の身体の筋肉に刺激を入れていくイメージが良いと思います。
睡眠の面では1日7時間前後を目安に、寝る時間、起きる時間が一定の方が自律神経が安定します。
寝る前にスマホを見たり、電話をしたりせず、好きなアロマの香りを楽しんだり、心の持ちようでいうと一日過ごせたことに感謝して、幸せを感じて眠りにつく事が良いです。
食事、運動、睡眠の安定化は精神、ホルモン、自律神経の乱れを最小限にしてバイオリズムの乱れを最小限にする秘訣です。
それが疼痛を減らすことに繋がりますので、なるだけ心がけていきましょう。

不調時の対処方法

そう心がけていても、自律神経の不調を感じるときは、自律神経と密接に関係する内耳、つまり耳のまわりの循環を良くすることがおススメです。
耳には気圧差を敏感に感じ取る受容器があります。
この耳の血流が滞ると身体の弱い部分に痛みを引き起こすキッカケになります。
なので、耳の周りのリンパ循環を整えてあげるように、ツボ押しをしたり、耳と密接する顎関節、つまりアゴを横にスライドしたり、前後に動かしたりして整えましょう。
指先の爪の角も東洋医学では井穴といわれ、自律神経と密接に関係する部分ですので指圧で刺激を入れてあげると良いです。