ヘルニアの時にジョギングをしてもいいの?

ヘルニアで腰痛症状があるときにジョギングはしない方がいい

ジョギング,イメージ

腰椎の椎間板ヘルニアを発症して、腰痛や足のしびれ、痛みが出ているときにジョギングはおすすめしません。

一般社団法人日本理学療法学会連合の短期間のデータではありますが、ヘルニア時の運動によるリハビリは精神的な側面の早期改善があったとだけされています。

腰椎椎間板ヘルニア術後の早期からの積極的なリハビリテーションは有効か?

J-STAGEより引用。

私が考えるヘルニア時のジョギングがよくない理由は、腰部の椎間板部に走ることで衝撃がかかってくるためです。

体幹部が安定していない状態や腰が反ってしまった状態で硬い地面に着地してしまうと、その衝撃がモロに負荷となってしまい、症状が悪化してしまいます。

ヘルニアとはどういった構造なのか

ヘルニア,イメージ

ヘルニアとはもともとラテン語で「定位置から脱出する」という意味があります。

背骨と背骨の間にあるクッションである椎間板の中にある髄核という部分が、例えれば、餡餅の中から餡子が飛び出すように、椎間板の中の髄核が後方に飛び出した状態になります。

それがその付近の神経や血管を圧迫して痛みを出したり、お尻から足にしびれや重ダルい痛みを出してしまったりします。

上体が前に倒れる動きで、後外方に脱出することが多いです。

つまり、自分より前の位置で足場をしっかり確保せずに、不安定な状態で、前かがみ姿勢で荷物を持つ動作すると椎間板に負荷がかかり、ヘルニアが悪化します。

腰部ヘルニアと重心について

ヘルニアで痛みが強い間は、まず姿勢を変えるときや動き出しの動作を徹底して愛護的にする必要があります。

自分の重心を支える足裏の置き位置が大切です。

専門的にはそれを支持基底面といいます。

身体を支えている底面のことを言います。

立っている状態であれば、両足の底と、その間の面積が支持基底面となります。

重心とは、物体がつり合う場所のことで、その重心位置が基底面内にとどまっていることが大切です。

基底面から外れた状況下で、前かがみで荷物を持ち上げるような動きをすると腰部にとてつもない負荷がかかり、ヘルニアになってしまいます。

それを防ぐために、まず、身体を柔軟にしておく必要があります。

足首の柔軟性、膝関節の柔軟性、股関節の柔軟性、骨盤の柔軟性、さらに足指の柔軟性、上半身も含めてすべての関節の柔軟性が必要になりますし、柔軟性が保たれていないと腰部にかかってくる負荷が増えてしまいます。

そして、その柔軟性と共に必要なのがそれらすべてが機能しているか、つまり使いこなせているかということが重要になります。

柔軟な状態で、基底面に重心軸を置きながら、身体運動が出来ているかが大切です。

ヘルニア時にはどういった運動や体操がいいのか

ヘルニア時に痛みが強い間は、なるだけ痛みを出さないように愛護的に動いた方がいいです。

逆にじっと同じ姿勢をしていない方がいいとも言えます。

座っている姿勢や立っている姿勢など同一姿勢が長時間続くと、関節部が硬くなってしまい、症状を悪化させます。

小まめに立ち上がって、痛みの出ない範囲内で横に倒したり、ゆっくりとひねったりとする方がいいです。あくまで痛みが出ない範囲でです。
ヘルニアは3~6か月で脱出が自然消退されると場合が多いです。

もし、尿がいつもと比較して出にくい、残尿感がある、逆に頻尿になった、頻繁に尿失禁する便が出にくい、肛門に力が入らない、便が無意識に漏れるといった膀胱直腸障害という症状がある場合は手術のなどは手術の適応となる場合もあります。

痛みが軽減して動ける範囲が増えてきたら、おススメするエクササイズはピラティスです。

ドイツで生まれたエクササイズで身体能力を向上させていきます。

骨盤を前傾でも後傾でもなくニュートラルポジションにおいて体幹を意識した身体の使い方を身に着けていくことができます。

体幹を自覚して使えるようになることで腰に負荷のかからない状態を維持することができ、ヘルニアの再発を防ぐことが可能となります。