むちうちと打撲の違いについて

むちうち,イメージ
よく交通事故に遭われた患者さまに「むちうち」と「打撲」の違いについて聞かれることがありますのでお答えします。
まず、「むちうち」「打撲」それぞれどういう状態を指すのかをご説明し、違いについて指し示します。

むちうちについて

「むちうち」は交通事故やアメフト・ラグビー、柔道・空手のようなコンタクトスポーツ、お仕事中のケガで起こることが多いです。
どういうものかと申しますと、どの状況下においてでも、不意に外力を受けて、頭が振られてムチのように首がしなる状況に遭うことをいいます。
それにより首の筋肉や靭帯、関節部が損傷して炎症を起こします。
症状は受傷後、数時間から数日経って起こる場合も多く、首を動かしたら痛かったり、凝り固まったような感じがあったりします。
それだけではなく、首は神経が多く、そこを損傷してしまっているわけですので、頭痛や吐き気、手や腕、背中のしびれが出てきてしまう場合もあります。
治療は炎症の強い間、つまり動かさなくても痛みを感じる間は、局所を安静にして消炎鎮痛剤を貼ってあげたり、痛み止めを飲むのもいいと思います。
熱感があるようならアイシングも効果的です。
多少、動かせるようになってきたら、周りの部分から整体施術を施していったり、局所を可動させないような施術をしていきます。
そして、ある程度、可動できるような状態になってきたら全体の動きをつけていくような整体施術が効果を出します。
そのころには自宅でのストレッチやトレーニングも効果を発揮しますので、効果的なやり方をお伝えして参ります。

打撲について

打撲は、どこかに身体を打ちつけて痛めてしまうことをいいます。
別名「打ち身」ともいいます。
おでこを打撲したら、たんこぶというように、全身どこにでも起こりえます。
よく打撲する場所としては、向こう脛、別名「弁慶の泣き所」ともいうように筋肉が薄く急所であり、激痛が走ります。
年配の方が、腕をどこかにぶつけて、「あおたん」になっているのを目にすることがあります。
これも打撲の症状の一つで、毛細血管が破壊され内出血が起こる場合もあります。
打撲の症状としましては、動作時痛・自発痛・圧痛などの痛みや炎症所見である発赤・腫脹・熱感が出現します。
そして、打ちどころによっては内出血になる場合もあります。骨に異常がないことが多く、打撲により、骨が折れている場合は、打撲とはいわず、骨折といいます。
実際、打撲をしたときの処置としましては、まずアイシングをおすすめします。
圧痛のある局所にアイスパックを低温火傷しないようにハンカチやタオルでくるみ、15分ほど冷やします。
それを間隔5分ぐらいで4回ほど繰り返すのが効果大です。アイシングをすることで痛みの緩和が早まり、あざを残すなどの後遺症を残しにくくなります。

むちうちと打撲の違いについて

むちうちと打撲の違いは、受傷機転が違うということになります。
大きく異なるのは、まず打撲はどこかに身体を打ちつけて痛めている点、むちうちは不意打ちにムチのように頭が揺られて首を痛めている点です。
損傷の度合いも、その受傷時の強度によって、それぞれ軽症から重症まであります。
治療は、初期は炎症反応がある場合はアイシング処置や痛み止めの処方が必要でしょう。
その後、状態を診ながら、整体施術や関節のモーションパルペーションを施します。
つまり、痛めてしまった部位は動きが硬くなりますので動きをつけていきます。
そのまま放置しておくとその部位は動きが硬くなってしまったままになりますので、他の周りの部位にしわ寄せがきてしまい、2次的な痛みを招きかねません。
例えば、首を痛めて放置することで、首の動きが硬くなり、猫背になりがちになり、肩こりを誘発してしまったりします。
むちうちや打撲に遭ってしまったあとは整体施術をおすすめします。