今回は『ザ・どうしたら速く走れるか?』を紹介していこうと思います!
バイオメカニクスで速く走る方法がわかった?速く走ることを争う「競争」は、古代ギリシャ時代に行われていた古代オリンピックのときから花形競技でした!そして「競争」という文化によって、スポーツ競技として発展してきたのです!陸上競技の選手はもちろん、運動会の徒競走に参加する生徒にとっても「速く走る」ことは大きな目標となっています!どうしたら速く走れるのかということを、長年にわたり多くの人が考え、実践してきました!現在、この「速く走る」ための方法が見直されつつあります。それは、この20年ほどのバイオメカニクスの研究によって、「速く走る」ための本質がわかってきたからです!モモを高く上げるのは間違い?体育の授業で早く走るために「モモを高く上げる」という指導を受けたことはありませんか?
短距離走でよい記録を出している選手の多くがモモを高く上げて走っていたことから、このような指導がされていたのです。さて、力の入れ具合のことを筋感覚といいますが、特にスポーツでは「どのタイミングでどの筋肉にどのくらい力を入れるか」という筋感覚のコントロールがとても大切です。バイオメカニクスでは、関節で発生するトルクなどを推定した結果から走行中にどのタイミングで筋肉が力を発揮しているが明らかになりました!
その結果モモを高く上げることを意識して力を発揮するのではタイミングが遅れてしまうことがわかったのです。
まず速く走るためには、脚の速いスイング動作が必要になります。実は、モモを高く上げる意識ではなく、モモを速く動かす意識が必要なのです。前に述べたように、走行中に大きく動いているのは股関節の動きです。したがって、脚と膝をリラックスさせて股関節の屈曲で大腿を速く振るスイング動作が必要となります。形だけモモを高く上げても早く走ることはできません。次に地面を蹴るタイミングですが、地面を蹴るとき、どのタイミングで力が発揮されるかを見てみましょう!速く走るには、足が地面を蹴る瞬間に大きな力を加えるのがよいと思われがちです。しかし、実際に走行中のキック力(地面反力)を測った結果(下図参照)を見ると、最も大きい値になるのは足が地面を蹴っているように見える④よりも前の局面であることがわります。
①
②
③
④
最も力が入っていそうな④では、キック力は大きく減少しています。②~③の局面で力を発揮するのが最もキック力を大きくできるタイミングで、足が地面を離れる直前に力を入れていたのでは遅すぎるのです。特に短距離走のようなスピード競技では、フォームの見た目に合わせて力を発揮しようとするとタイミングが遅れてしまうのです。以上のことふまえて走るときに意識してみるとスピードもアップするかもしれないので是非、意識してみて下さい!(^^)!
今回は歩行で重心がどのように移動しているか説明していきます!歩行中の片足の接地は踵から接地し、つま先で地面を蹴るという動きをするので、両足の足底全体が同時に接地することはありません。したがって歩行中の支持基底面は、両脚支持期(両足が地面についている状態)では後足のつま先と前足の踵を結んだ面となります。
単脚支持期は片足が地面と接地している足底の面になります。つまり、支持基底面の面積はどの瞬間をとってもかなり狭いものだというのがわかります。歩行時の重心の移動は前方向だけではなく、上下方向や左右方向へも変化しています。成人の身体の重心は骨盤の中央付近にあり、歩行中はその位置が上下左右に2~3cmの幅で変化します。
歩行のダイナミックな動きに比べると非常に小さい振幅だといえます。重心の位置は単脚支持期(片足が地面をついた時期)の中期に最も高くなり、前に踏み出した足の踵が接地したとき、両脚支持期(両足が地面についた時期)の初期に最も低くなります。
(左の写真が単脚支持期)(右の写真が両脚支持期)、左右の振れ幅が最も大きくなるのは単脚支持期の中期です。このとき頭の左右への振れも最も大きくなり、その振れ幅は約6cmです。上下左右の重心移動の振幅は、最も効率よく歩ける歩行速度を超えると大きくなります。逆に遅くなった場合、上下の振幅はあまり変わりませんが、左右への振幅は身体のバランスをとろうとして大きくなります。このような重心の移動が分かった上で自分はどれくらい上下左右に重心が移動しているかチェックしてみて下さい!もし振れ幅が基準と違う場合は重心移動を抑えるしくみをもっている、骨盤や膝がうまく使えていなかったり、体幹や下半身の筋力が弱っているかもしれません!例えば膝が痛くて痛みをかばった歩き方などをしていると歩行時の重心移動が乱れ、膝以外の股関節や足首、腰、首、肩などの不調につながる為、早めの施術をお勧めします!!