首の痛みの治療

首の痛みは、およそ7割の人が一生に一度は経験するといわれるほど、よくみられる症状です。まず始めに首の痛みや症状を4つ紹介します。

頚椎症

産まれた頃から幼少期のケガや衝撃、交通事故等によるムチウチなどによってダメージを受けた首は数十年かけて椎間板の柔軟性が低下してくると頚椎そのものに強い力がかかって骨棘(こつきょく)ができたり、変形を起こしやすくなっていきます。その結果、頚椎から腕へとのびる神経が圧迫され、手や指のしびれ、感覚異常(感覚がない)、手が動きにくい、といった症状がみられます(神経根症状)。また、脊髄が圧迫されると、脊髄は全身につながる神経の中心なので、あちこちにさまざまな症状が起こります(脊髄症状)。典型的な症状として、手のしびれや麻痺(ボタンがかけにくい、字がきちんと書けない、はしが持ちにくいなど)、脚のしびれや麻痺(つまずきやすい、脚が動かしにくいなど)、排せつ障害(尿が出にくい、トイレが近い、便秘など)があります。

頚椎椎間板ヘルニア

椎間板にはゼリー状の物質が詰まっていて、クッションの役割をしています。加齢などよって頚椎の椎間板自体が変形した場合にも、神経や脊髄を圧迫すると、頚椎症と同様の症状を起こします。
上記は、頚部捻挫や筋肉痛をのぞくと、首の障害で最も多くみられる症状です。どちらも放置していると悪化しやすく、痛みやしびれなども激しくなるので、早めに受診して頂きたいものです。

脊柱の靱帯骨化症

脊柱(背骨)の骨どうしをつなぐ靱帯が厚くなり、骨化していく病気です。原因はまだ不明ですが、骨化によって脊髄が圧迫されると首の痛み、手足のしびれや麻痺など、頚椎症と同様の症状がみられます。血糖値が高い人に多くみられることから、糖尿病ともなんらかの関係があると推測されています。受診して、どの部分の靱帯に障害が起きているかを検査し、適切な治療を受ける必要があります。

その他として

肺炎などを起こしたあと、細菌が頚椎に感染すると、首の痛みや発熱などの症状を起こすことがあります。この場合は、抗菌薬などで治療する必要があります。また、頚椎にできた腫瘍によって、神経や脊髄が圧迫された場合も、首の痛みなどの症状が起こります。首を動かさなくて痛みが続く場合には、早めに検査を受け、良性や悪性かを調べて適切な治療を受けることが大切です。

なぜ首が痛くなるのか?

首の骨(頚椎)は、重さが6~8キロもある頭を支え、上下左右に動かしたり、回転させたりと、複雑な動きをコントロールしています。それだけに首には日ごろから大きな負担がかかりますが、加齢によって首の筋肉が弱ったり、運動不足で首をあまり動かさないでいると、首の筋を違えたり、こりから筋肉痛を起こしたりします。首の痛みの多くはこうしたタイプで、日常の習慣を見直したり、首の筋肉を鍛えることで改善されます。しかし、加齢によって頚椎そのものも老化します。頚椎がすり減ったり、クッションとなっている椎間板の変形が生じると、慢性的な痛みやしびれを起こすようになります。頚椎の中央には、神経幹である脊髄がとおり、脊髄から枝分かれした神経が肩や腕へとつながっています。そのため頚椎が変形すると、首の痛みだけでなく、肩の痛みや手のしびれ、あるいは脚のしびれによる歩行障害、さらには排尿障害まで起こすこともあります。こうした症状が起こるようになると、本人も辛く、また、治療にも長い時間がかかり、ケースによっては手術が必要となります。できれば初期段階(首のこりや筋肉痛などの段階)で、早めに対処することが望まれます。パソコンやスマホの普及もあって、首の痛みを訴える人が増えています。その最大の原因は、よくない姿勢を長時間続けることです。パソコン作業をしている人の多くが、背中を丸め、顔を少し前につき出すような姿勢をしています(今のあなたの姿勢はどうですか?)。この姿勢は、頚椎には不自然な状態です。特に、アゴをつき出すと、首が後ろに反り、頚椎や首の筋肉を緊張させます。長時間続けていると、首や肩の血液の流れが悪くなり、疲労物質の乳酸などが蓄積し、こりや痛みを引き起こします。ちなみ頭の位置が正常な位置から1cm前に行くと首の下部には3kgの重りをしょってるのと同じ負担がかかっていると言われます。パソコン作業にかぎらず、一般的なデスクワークや、テレビをみているときなども、同様のことがいえるので注意が必要です。パソコンを長時間集中して使用している方や、携帯電話でメール、一日中ゲームをしている方の中には、頭痛やめまい、吐き気、絶えず疲労感を感じている方もいるでしょう。家庭の中で、誰も気付いてくれない慢性的な苦しみや痛みで日々悩む主婦の方も多いと思われます。このような、原因不明の体調不良は「不定愁訴」といわれ、その多くは自律神経失調の症状です。一般的にはストレスが原因とされていますが、頚部の関節、筋肉の硬さにも原因があるのです。首の筋肉の異常は、頸椎の中心にある副交感神経の異常を招きます。 副交感神経は、内臓や血管、呼吸器などをコントロールする、もっとも重要な神経のひとつです。 そのため、「首」が悪いと体の不調をもたらしてしまうのです。「うつむき姿勢」になってしまう機会が多い現代人の生活習慣病ともいるのが、まさにこの首に原因があるのです。
緊張型頭痛、めまい、自律神経失調症、うつ、パニック障害、ムチウチ、更年期障害、慢性疲労症候群、 ドライアイ、多汗症、不眠症、機能性胃腸症、過敏性腸症候群、機能性食道嚥下障害、 血圧不安定症、VDT症候群、ドライマウス 、不定愁訴は、耳鼻科、眼科、消化器内科などさまざまな診療科目の症状が出るのが特徴。各専門医の元を訪れても、病院の検査では、異常が見つからない。結局は痛み止めなど、”その場しのぎ”の治療をされているのが現状です。薬をやめればすぐに再発する、症状は一向に改善されません。なぜならば、副交感神経の異常をもたらす「首」の治療が行われていないからです。首が原因と診断されないまま的外れな治療を続けると、症状はさらに悪化し、最終的にはうつ状態になってしまいます。 これは、首が原因で起こるうつで、精神うつと区別するために、「頚筋性うつ」と呼ばれています。今や頚筋性うつは、全うつの90%を超えています。心身ともにダメになる前に、まずは頚部の改善を試みてください。不定愁訴を根本から治す治療法が当院にはあります。

首の痛みの予防と改善の第一歩としての体操

背筋を伸ばし(背中をいすの背につける)、頭の位置を後方にスライドさせ姿勢軸にのせる姿勢を心がけましょう。時々自分の姿勢を見直し、意識的に姿勢を整える習慣を身につけるといいでしょう。また、長時間同じ姿勢を続けると、首の筋肉や頚椎に大きな負担となります。30分に一度は席を立ち、次のような運動をする事をオススメします。
(1) 首を左右にゆっくり倒す(5秒くらいずつ交互に5回)
(2) 顔を左右にゆっくり向ける(首の筋が少し張る位置まで向ける。5秒ずつ交互に5回)
(3) 肩を大きくゆっくり回す(前回しと後ろ回しを5回ずつ)
(4) 腕を壁につけて腕立てのように筋肉を使ってあげる(ゆっくりと10回3セット)
全部やっても3分程度なので、忙しいときにも合間をみつけてやりましょう。
からだを少し動かすだけで、血行がよくなり、疲労物質などがたまりにくくなります。これらの運動は首、肩、腕などをリラックスさせるためなので、力をいれず、ゆっくりやるのがコツです(急に強く動かすと、筋肉をいためることがあるので注意)。
ただし、首の痛みが強い場合には、いきなり運動をしないこと。受診して頂き、指導のもとで運動を始めてください。
また、眼鏡の度が合っていないと、デスクワークのときに前かがみの姿勢になりがちです。背筋を伸ばした姿勢で見やすいように、眼鏡の調整をしましょう。